この本を読むと山形は日本人の原風景景観にもっとも富んでいる場所だと思う。

工学部教授が書いたサントリー学芸賞を取った唯地理論的論考、
日本の原風景を7タイプに分類している。

秋津しま大和型・・・奈良大和盆地、

八葉蓮華型・・・・・まんだら、チベット高野山、精気が宿る場所、

蔵風得水型・・・・・風を治め水を得る、三方山、前に水、鎌倉、

隠国(こもりく)型・・谷川に沿って登っていった奥のどんずまりの場所、山寺、小国
            などで亡き人の霊が宿る。

水分(みくまり)神社型・・・山がすぐ後にあり麓に神社、水のせせらぎがある。大津
               厳島

神奈備山(かんなびやま)型・・独立してそびえる山の傍、千歳山、白鷹山。

国見山型(くにみ)・・・・さらに高い独立のやま、富士山、


この本と分類の話は芳賀徹先生に聞いたのだ。
芳賀先生は山形の出身で東大仏文科一期生で日本を代表する比較文学者でもある。
国際日本文化研究センターや東大の名誉教授を務める傍ら、京都造形芸術大学の名誉学長もなされている。

先生のこの話は今から14年前俺がプータロウの時期、平成5年の12月東北芸工大の社会人集中講義に参加して聴いたもので、まさに蒙を啓かれた話であった。
講義はさらに斉藤茂吉論、にと楽しい授業であった。