週末農業の愉しみ

西蔵王高原と自宅近くにそれぞれ200坪、100坪の農地を借りて野菜作りを始めて5年になる。
4月から12月初旬までの9ヶ月間の週末はほとんど農作業に費やされる。
盛り場徘徊派の俺を知っている知人達は「まぁ直ぐ音を上げるだろう」と思っていたらしい。

採りたて野菜を東京の友人達に送ると皆喜んでくれるのだが、驚いてもいる。
「お前が畑で・・・? 香水の匂いもしない畑で?」

メディアの世界でも目まぐるしく経営環境は変化し、技術は進化し、思わぬところからライバルが現れるこのところ。

畑で土をいじり種を蒔き、雑草を採り、水をやり、一服しながら空を見上げ季節の変らぬ移ろいに感謝する。
変らない四季の変化サイクルの中で生かされている自分たち。

先日101歳で亡くなったレヴィストロースは「地球は人類が出現する前からあり、人類が消滅してからもある」と書いていたが、農業ではなく「農的くらし」を始めてこの言葉を実感できるようになった。
17歳の夏川田順造訳「悲しき熱帯」を読んだが、果たして意味も分からず読んでいたわけが今頃に分かるとは。

今シーズンも農作業は「青菜」の収穫を残すだけとなった。