詩と哲学のデュオ

 先日亡くなられた詩人の茨木のり子さんの最後の出版物、茨木さんの詩に哲学者の長谷川宏さんが、
 その詩からの思索を展開するという構成で、難しい哲学用語もなく心がほぐれてくるような、
 一冊です。
 茨木のり子の詩の世界に入り、思いを半ば共有しながらも、散文の思索が一定の距離感もあり、
 休日の午後の読書にうってつけ。

 中でも昔から好きだったお転婆、はねっ返りな女の子を書いた「女の子のマーチ」の
 男性から見た少女、子どもへのまなざしが清清しい。

 本のタイトルは『思索の淵にて』近代出版・1800円。

 この出版企画はいい! 編集者冥利ですね。