マセたガキは中学2年の修学旅行、東京方面へ。

担任は綽名はターキー(七面鳥)の毎日お着替えお洒落自慢の国語女教師。
日光いろは坂、小雨降るつずら折りの山道、車酔い止めにとマセガキのポケットには、ウィスキー・ポケット壜。

最後列に陣取り両脇は芸者見習いの啓子ちゃんと将子ちゃん。
ききかじった端唄・小唄をこっそり歌いだす。

ウィスキーストレートは14歳にはとても効きすぎる車酔い止め。
バスの中はガイドのねぇちゃんの仕切りも上手く、マイク取り合う歌合戦。
上を向いて歩こう」、「花はどこへ行った」、「星に祈りを」、「おおブレネリ」など。
すっかりいい気分の俺は「歌わせろ、」とマイクを獲る。

「歌います、18番雨に咲く花、井上ひろし」。
「♪およばぬことと〜、あきらめました〜、だけど恋しいあの人よ〜
 ままになるなら〜、いま一度、一目だけでも逢いたいの〜♪」。

拍手したのは、バスガイドのチンコロネェちゃんだけだった。

雨に咲く花・・・・紫陽花、くちなし、バラ、ボタン、芍薬、あやめ。