小正月のお誘い!

hananohideji2008-01-30

昨日(1月29日)旧知の草木染工芸家・佐久間さんにお誘いをいただき、昼過ぎ千歳山里にある彼女の工房に伺った。
工房は1月2月は冬篭りと称してお休みなのだが、近所にある大日如来の行事にあわせ毎年1月28日前後3日間だけ小正月行事「味噌田楽豆腐を楽しむ会」を開いてきた。
全国の彼女の作品の熱心な愛好家にひそかに案内、九州・関西・関東などからこの雪深い平清水焼きで有名な山の麓にやって来る。

俺はあまり品のいい顧客じゃなく遊び仲間というか飲み友達と言うか、俺にとっては同じ年の大事なガールフレンドである。
昨日は最後の日、東京からのギャラリー経営ご夫婦に彫刻修復家、白磁陶芸家、出版編集者、と囲炉裏を囲みながら楽しい時間を過ごした。
地元の青菜漬けやぺそら漬け、おみ漬けなどの御新香と14代や月山丸などの銘酒、焼きたての味噌田楽豆腐を頂く。
特に豆腐は最低4本を食べないと彼女に怒られる。
「一丁前じゃない」と言われる、それは4本で豆腐一丁分なのでようやく4本食べて一丁前だという。
俺は毎年8本は頂く、甘じょっぱい味噌味の豆腐が吟醸酒に最高に合うのであります。

草木染の染料の中でも彼女が一番大切に慰しているのは紅花染である。
最上紅といわれる紅花を彼女は100坪の畑を作り栽培収穫、1.2キログラムの紅を作っている。
その紅つくりの工程、何回も塗り重ねると紅は玉虫色に光輝きだす。
江戸時代の紅を見せてもらった、緑色だ。
小指につばをつけ紅を濡らし唇に紅を引こうとしたら、彼女に注意された。
「小指で紅を引くのは娼婦のすること、薬指の意味解ってないんじゃない?」。

炭火で顔が火照るだけじゃなく、美味い酒と御新香、田楽豆腐ですっかりいい気分。
彫刻修復家、陶芸家、編集者を引き連れ唇を赤く染めた秀爺は夜の繁華街に繰り出したのであります。